演出・助演出に聞く! 〜アンケート回答編〜


――公演が終わって約2週間、演出と助演出の2人が、ホンネを交えて質問にお答えします!

 柿:柿澤晟也
 今回の演出。
 過去公演 2011年:新入生公演(父役)、11月公演(怪人役)、3月公演(マスター役)
 2012年:6月公演(父役)



 是:是氏
 今回、脚本・助演出を担当。
 過去公演 2011年:3月公演(脚本・演出)
 2012年:6月公演(犯人役)





「今パッとですね、アンケート捲っていたら、"セリフよく覚えましたね"ってのがあって。
  あとは舞台美術と照明が凄かったと。とあるかたは『舞台美術すごすぎでしょう!ジェバンニですか!』と(笑)」

「まぁ、実質ジェバンニのような働きをしてもらったんですよね、本当に。
  土日なんか11時の回が大体13時ごろに終わって、次の回が14時半からですからね!
  もうどうなってるんだこのスケジュールは、間が一時間ちょっともないなんてねぇ!
  その時間で準備するだけじゃなくて掃除までやってもらって。
  よくパッとあの(蹴破る)パネル取り替えてくれましたね。」

「あと、照明さん。」
「照明さんはどのへんが凄いと?」
「アンケートにはただ単に、照明凄い! と。
  あとあれですね、シンプルだけどちゃんとしてる、みたいな。
  これはあれですね、照明さんと演出の指示が良かった、と(笑)」

「そ、そう言っていただけるとありがたいですけどね(笑) 僕はそのへんは本当に素人なので、
  ここでどんな色が合うのかなぁてのは本当に素人考えでやってしまったのですが…
  照明のセオリーとかもよくわかりませんし。
  ここでこう入ったら面白いだろうな、とか心情にあってるだろうな、ってのをチョイスしただけですけどね。
  まぁ後はオペさんの。某M田さんのご活躍(?)によりますね。練習時間も本当に少なかったのに、
  パッとやっていただいたいということで。
  言うことなしの出来の照明でした。本当にありがたかったですね。」

「ですねぇ。あとはこれは、アンケートの意見も二分あるんですが、風街らしい劇だったという方と、
  風街らしくなかったという方がいらっしゃいました。
  これはどっちなんでしょう、僕はどちらかと言うと風街らしくなかったかなぁ? と思うんですが。」

「僕も台本見て、稽古始めの時とかは"らしからぬ"台本が来たな、と思いました。
  けどいざ蓋を開けてみたら、なんでしょう、特に違和感もなく…
  違和感の有る無しが"らしからぬ""らしい"に噛んでくるかは分かりませんが…
  例えばいままでに見てくださった風街の公演にも寄るのかな? って感じもしますね。」

「なるほど。」
「例えば3月にやった、同じく是氏台本の『喫茶店戦争』なんかが直近に見た風街の作品だという方は、
  そんなに"らしくない"と言うよりは、"いつも通りだな"っていう印象を持たれたかもしれませんし。
  じゃあ最後に見たのが、例えば、例えばですよ(笑)『旅行代理店大戦争』だったとしたら…」

「『大爆発』!」
「そうでした『旅行代理店大爆発』でした(笑)
  それだって言う方がいたら、今回はもうぜんぜん違うテイストのものに仕上がっていたとは思いますけどね。」

「最近だとスキクラ(スキヤキクライシス)と役3メートルですけど。」
「まずスキクラと約3メートルが全然テイストの違ったものでしたし。
  約3メートルしか見たことなかったって方だったら、むしろ──」

「ふざけすぎじゃないか(笑)」
「うんうん、すげぇふざけられるんだなこの団体は、って思われたんじゃないですかね。
  何しろ僕、笑いは無い劇は嫌なので…言ってしまうと。今回はどんどん笑いを求めていったんですけども。
  締めるとこは締めて。で、出来上がったのが今回の夢茶☆苦茶なんですけども。
  脚本家はどうですか、意図したものになりましたか?」

「あの、私本当に演出を取るのが苦手なので…
  なんて言うんですか、僕は脚本家と演出は別の方がいいと思っていて。
  そこでそういう面白さを持ってこれるのか、あぁ気付かなかった! っていうのが本当に多くて。
  そういう意味では今回僕の意図したとおりになったかなぁと思っています。」

「ブレーンが二つあったほうが良いってことですかね。」
「スマホで言う、シングルコアよりデュアルコアですね。」
「あぁなるほど、良い例えしますね(笑)そういうことでしたか、なるほど。そう言っていただけるとありがたいですね。」
「あと、数名の方が書いて下さったんですが、過去公演ネタに突っ込んでくれた方がいらっしゃって。」
「(爆笑)」
「本当に数名の方なのですが、数名でもいてくださって僕は本当に嬉しかったです。」
「やっぱり分かっちゃいましたか(笑)
  割りとさり気なくではなかったですからね、出し方もドドーンと大きな声で言わせましたからね、過去公演ネタを。」

「一番わかり易いのは『魔法少女(笑)』?」
「そうですね、『魔法少女(笑)』」
「まぁ現物出てきましたし。」
「そうですね、あの魔法の杖を全く…同じ型のものを探し求めて。
  音楽も『魔法少女(笑)』のコトノちゃんの登場シーンっぽい音楽を持ってきてと音響さんに頼んでしまって、
  それを流しちゃうと(笑)
  僕も聞いててあの怪人になって、マスクつけて高笑いしてる気分になってしまいました(笑)」

「(爆笑)」
「あと個人的に思い入れがあるのはやっぱり、勇者タケルの剣でしょうね。
  僕が思い入れあるわけじゃないんですけど。
  何故なら、ねぇ(笑) だってねぇ、杉村さんをやった坂本さん。坂本さん、勇者タケルやってたじゃないですか(笑)
  『ブラッディマリー』でしたっけ。」

「(爆笑)」
「『ブラッディマリー』の劇中劇で、タケルの役をやっていて、
  その人が『勇者タケルが使っていた伝説の剣なのだぞーっ!』って言っちゃうシーンとか、
  僕ァもう心底笑いを堪えていましたよ(笑)」

「まさか坂本さんが杉村さんをやるとは思ってなかったですからね(笑)」
「思わぬ大ヒットでしたよ、個人的には。」
「あと回収してるのは、『反論します』ですね。ドラえもんだけですけど。」
「ドラえもんの音響効果だけですけどね。
  あのシーンでドラえもんで良かったのかは結果オーライじゃないでしょうか、面白かったですからね。」

「あとは…野菜ですか?」
「そうですねー、一番直近の本公演でしたね。『スキヤキクライシス』。
  脚本家のあなたですよ。大根役者。大根で殴られるという…」

「軽い恨みを込めて…」
「(笑)あれは恨みを込めて大根を出したんですか? それで今回は大根に加えて、ゴボウと、長ネギまで(笑)」
「長ネギは元ネタあるんです、ミクじゃないですよ。ゴボウは何故出したのか自分でも覚えていないんです。」
「まぁあのしなり具合とか、見てて割りと面白かったですけどね。
  えーとね、あれほんとうに大変だったんですからね! 管理が。
  長ネギなんか本番の途中で折れちゃって、舞台にネギの臭いが充満しちゃって。」

「もう野菜はやめときましょうか(笑)」
「野菜はしばらくもういいんじゃないでしょうか。
  あっ野菜のほうですが、カーテンコール通り豚汁にして美味しくいただきました。
  ほんとうに美味しかったです。あと他の公演は回収してますっけ?」

「これは思わずしてなんですけど、バナナ。」
「あぁ、そっかバナナですか。あれは2012年の新入生公演『ゴールドエスケープ』で作ったバナナの皮を。
  作った本人(マルトノ博士:林)が舞台上に持って来るという(笑)」

「あとは一番大事なの忘れていました。喫茶店です。」
「(爆笑)そうですね、2012年3月の公演『喫茶店戦争』。
  あなたの作品ですよ! 今回はその喫茶店のセット? 場所が出てきたということで。
  あれはあれで回収と言ってしまっていいのか?と言うところは疑問ですが。」

「一応、カフェラテが出てきます。」
「あッそうかそうか。一応セリフも拾ってましたね。カフェラテ。」
「今回もカフェラテしかコーヒーは出て来ません。」
「あの(『喫茶店戦争』の)お店もそうですね、カフェラテと、ミネストローネしか出てこないですもんね。
  そうでしたもんね。
  僕も舞台上でミネストローネを出してるシーンが目に浮かびますよ。」

「(苦笑)」
「ねぇ?そうですよね?はははは(笑)」
「(苦笑)あとはそんなもんでしたっけ…? あぁ、後もう一つ忘れていました。『旅行代理店大爆発』です。」
「はい。あー! はいはいはいはい。
  そうですよね、『ちなみにこのヤリは?』『それはただのヤリだ』『じゃあいらないじゃん』。
  あのヤリ、どこかで見覚えがあると思ったら、『旅行代理店大爆発』で大里さんが持っていたヤリじゃないですか!
  ねぇ、アフリカの風薫るヤリ。」

「手作りですよあのヤリ。」
「もう本当に凄いし、大活躍ですよ。何回使われるんでしょうね?」
「まだ二回ですけどね(笑)」
「もしかしたら今後もお世話になる可能性も(笑)よく出来たヤリですし。」
「それぐらいですかね?多分大体、過去公演ネタはそんな感じです。」
「なるほど。」
「あとこれ。気づいて下さった方は一人だけなんですけど、"ヤマハ"とか"カシヲ"とか名前が面白かったと。」
「(笑)はい、役名ですね。えーと?まず主役の廻谷鈴々子(リリコ)。これは?」
「"リリコン"と言う電子楽器があります。」
「知りません、知りませんよ誰もそんな電子楽器!あとは杉村輝三(テルミ)さん。」
「これはちょっと有名ですけど"テルミン"と言う電子楽器があります。」
「そうですね、ブ○クエースに行くとテルミンと言う映画が借りられます。」
「映画なんてあるんですか。」
「テルミンを開発した人の映画をこの間偶然見つけて。あれ、杉村さんかと思いました。
  で、それから丸殿恩二郎博士。」

「"オンド・マルトノ"と言う電子楽器があります。恩二郎は後付です。」
「へぇー。そんな楽器が。」
「見た感じはキーボードっぽい楽器みたいです。」
「それから、言わずもがな。山葉希望(ノゾミ)。」
「ヤマハですね。」
「ヤマハ音楽グループの。」
「まぁ、"希望"と書いてノゾミと読ませていますが、キーボ(キーボード)とかけています。」
「なるほど!」
「あれ知らなかったの?」
「僕は普通にヤマハだけだと思っていました。あぁなるほどそういうことだったんですか! 
  それは難しすぎじゃないですか"キボウ"って読まないでしょ! で、最後は河合カシヲ・トシヲ。」

「まぁこれも言わずもがな、河合楽器ですね。」
「僕は昔カワイ音楽教室に行っていたんですけどね。」
「おぉなんですって?何で?」
「ピアノで。」
「へぇー!知らなかった!」
「まぁ置いておいて。」
「まぁカシオですけど、そのまんまCASIOですね。キーボードも作ってます。」
「僕持ってますよ、CASIOのキーボード。」
「で、まぁカシヲとトシヲをこう、合体というか、ちょっとひねくれさせると…
  CASIOが"カシオトーン"と言うキーボード作ってましてね。」

「(笑)」
「あれ、言ってなかったっけ。」
「聞いてたけど、改めて聞くと…(笑)」
「カシヲトシヲで、"カシオト"まで一緒ですからね。」
「シヲはどこ行った!」
「以上でしたー。」
「名前が音楽関係にかかってたんですね。」
「全く意味はございません。」
「はい、まぁ脚本家の趣味ですね。」
「まぁアンケートから拾い上げるのはこれくらいですかね。
  これで最後になるんですが、脚本から演出に聞きたいことがあるんです。
  なんで11月公演、『夢茶☆苦茶』で演出をやろうと思ったんですか?」

「なんででしょうね? パンフレットにも書いたんですけど、僕中高と柔道部だったんですよ。
  で、大学に入っていきなり演劇のサークルに入って。で、芸術的なことをしだしたという。
  傍から見たらオドロキですよね、親も驚いていましたし。
  友人に言っても何で? と返事が帰ってくる具合なんですけども。まぁそんなこんなで一年間演劇をやってきて。
  なんでしょうね、直接の影響は『スキヤキクライシス』と『役3メートル』の演出、数原ずんさんと竹場健太さん、
  このご両名なんですけども。二人を見てたら、僕も演出やってみたいなってのが沸々と湧いてきて。
  一年やったし、演出もやっていいのかなぁ? と言うふうに思えたんですね。
  まぁ他にも色いろあるんですけどね(笑) 語るに及ばず!」

「じゃあ、逆に。演出から脚本に聞きたいこととかありますか?」
「そうですねぇ。役者やらないんですか?」
「(吹笑)役者ですか。あれですね。すっげー気持ち悪い役が見つかったら出てみたいですね。」
「ほう(笑)」
「それかもう、根っからの悪役とか。」
「根っからの悪役、なるほど(笑)」
「もう善いところなんか一つもなく、ずっとガハハハ笑っていられるような。」
「ふんふん。」
「なかなかそういうのいないんですけどね。」
「是氏さん、中々キワモノ好きですね(笑)
  キワモノというか、よくも悪くも振り切れているキャラをやりたいんですね?」

「まぁそうですね。」
「じゃああれですよ、自分で書いて、演出は誰かに投げて、出演はすればいいんじゃないんですか?」
「まぁそれするとしたら、役者が足りないときだけのほうがいいのかな? という。」
「なるほど、そこでスパッと参上と。」
「後は、本当にわがままになるんですけど。
  演出一人立てるなら良いんですけど、脚本を書いている時点で、どんな感じのセリフ回しになるか、
  とかを考えているわけじゃないですか。その固定イメージのままやっちゃって、それを演出さんが
  『脚本家がやってるんだからこれでいいんだろうな』と言う、変な気を使われたくなくて。
  むしろどんどん色々言ってもらいたいんですけどね。」

「うーん、なるほど。それはまぁなきにしもあらずと言うレベルですけどね。」
「なので、自分が書いた脚本の時は、どうしても人が足りない時ですね。」
「そうですか。是氏さんのファンがね。」
「ん?」
「ファンが待っていますということで。」
「ファンがいるなんて聞いた事無いですけどね(笑)」
「(笑)」
「さてではもう1時間近く経ちましたしね。これで企画は終わりになるんですが、最後に何かありますか?」
「最後に。そうですね。傍から聞いてて何かアリましたか?」
「…いいんじゃないですか?(風街4年の友介さん。録音の途中からずっと無言でいらっしゃいました。)」
「ということですので! そろそろ締めましょうか! では、11月公演『夢茶☆苦茶』。本当にありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
「またお目にかかりましょう! では!」
「さようならー!」



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